「ゲーム依存症・課金」のチェック診断と症状・原因/WHO「障害」として認定

ゲームコントローラー



スマホアプリのオンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎが原因で日常生活が困難になる「ゲーム依存」新たな障害として世界保健機関(WHO)が25日に認定しました。

アプリゲームをやっている方はご存知だと思いますが、ゲーム中でより充実させたりキャラをGETするために「課金」という制度があります。しかし、この「課金制度」が闇を抱えている人の心の隙間に入り込んで人生を狂わせてしまうのでしょう。

今回は自分の依存度を測るチェック方法や、障害の症状と対策についてご紹介します。


ゲーム依存のWHO定義と原因

ネット依存一言でゲームによる病気と言っても予備軍もあれば重度までさまざま。また、大きなグループ分けで見ると、「ネット依存」のなかに「ゲーム障害」が分類されます。まずは、病気の定義と原因について見ていきましょう。


ゲーム依存の定義とは



内科・外科的な病気と違って依存は採血や心電図のような方法によって診断することができませんでしたが、症状がアルコールやギャンブルと酷似していることから徐々にその医学的なエビデンスが蓄積されてきました。

心療内科やカウンセラーは対面カウンセリングを行っていくつかの質問事項からこの病気に該当するか推測し、脳内の状態をMRI撮影することで医学的な根拠を見いだすことになります。

これらの蓄積されたエビデンスがWHOの基準をクリアしたことから、2019年5月25日にWHO(世界保健機関)が国際疾病分類(ICD)のなかで新たな病気として「ゲーム障害(ゲーム症)」を認定しました。

WHOの指針によると、

①ゲームをする時間や頻度について自ら制御できない

②ゲームを何より最優先する

③問題が起きていても続ける

この3つの症状が12ヵ月以上続き、社会生活にも重大な支障が出ている場合に「ゲーム依存」として診断される可能性があると述べています。

この一連の行動に対して、米国や日本のゲーム機メーカーやソフト会社で作る体国際的ゲーム業界団体のESA(エンターテインメント・ソフトウェア協会)は、

「ビデオゲームに中毒作用はないと客観的に証明されている」

「世界中で20億人以上がゲームを楽しんでいる」。そうしたユーザーを病気とみなせば、「うつ病などの本来の精神疾患がささいなものと位置づけられてしまう」
朝日新聞DIGITALより引用

と反論しておりWHOに方針見直しを強く求めましたが、現実に「ゲーム障害」に苦しんでいる患者が存在することや、医学的な根拠も多いことから2018年6月の草案から1年後となる2019年5月25日に認定された経緯があります。


スマホゲーム依存症

依存してしまう原因は脳の異常

脳の依存状態ゲームに没頭してしまう理由として多いのが日常生活の寂しさや悲しみをオンラインという「いつでも活動できる仕組み」が心の穴を埋めてくれるという一次的要因があり、これらをきっかけに依存してしまうことが多いでしょう。

そして、ゲームに没頭していると感情や理性を司る脳が異常状態になります。すると脳内バランスが崩れてさらに抜け出せない二次的要因も加わりさらに深みにはまっていきます。

私たち人間の行動は脳にある「前頭前野」「大脳辺縁系」の2つによってコントロールされています。

【前頭前野】
・理性
・ワーキングメモリー
・切り替え
・認知

【大脳辺縁系】
・感情
・意欲
・自律神経

通常は理性的に物事を考えられる「前頭前野」の方が優勢ですが、ゲーム障害によって前頭前野の働きが著しく悪くなり、「大脳辺縁系」と立場が逆転してしまいます。

「大脳辺縁系」が優位にあると理性を失った状態となり、欲求や行動を自ら制御することができなくなります。20代の大人でも起こり得ますが、特に小学生・中学生・高校生など未成年の場合は、前頭前野が十分に発達していないため将来、大人になってもこの症状と付き合っていくことになる可能性も。



障害にかかりやすい人の共通点



ゲーム障害の患者のMRI画像がアルコールやギャンブル依存の人と酷似していると述べましたが、ゲーム自体にはアルコールやたばこと違って明確な「依存物質」は含まれていません。

しかし、未成年者で疾病する人が多いことや性格・生活環境によって依存しやすい体質の人、というのは存在すると思います。

未成年者は前頭前野が十分に発達していないため、かかりやすいのは言うまでもありませんが、その他にどのような共通点があるのかご紹介しておきます。

【強いストレスを抱えている人】…生活している日常や社会生活の中で多くのストレスを抱えている人は、ストレス発散のはけ口としてすでにアルコール・たばこをすでに口にしていることもあるでしょう。これらの人は依存の予備軍とも言える存在で、リスクを抱えていると言えるでしょう。

【現状が満たされていない人】…アルコールやニコチンなどの依存物質を含んで心地よい体験をした人とそうでない人、どちらも状況は同じなのに全ての人が癖になる訳ではありません。その違いは心の状態の差。孤独感や劣等感が強い方は満たされないことが多いため依存リスクに注意しましょう。

【松葉づえを求めている人】…専門家は薬物を「松葉づえ」に例えることがあります。生きるのが辛くてどうしようもない時に薬物と出会いその状態が解消されたら、その人は薬物がないと生きていけなくなります。典型的な物質依存ですが、生きるための希望を物質に強く求めている人は特に要注意。

※なお、これらは傾向として言われているものであって、特定の人格と依存が必ずしも結びつくものではありませんので、参考までに見てもらえたら良いでしょう。


子供をゲーム依存症から救う精神科医の治療法

課金が加速させるゲーム障害の症状

アプリ①実際にどのような目に見える症状が出現するのか代表的な例を見てみましょう。

ゲームする時間のコントロールができない

正常な人のプレイ時間は30分~1時間、長くても2時間程度ですが「ここまでで終わり」という明確なルールを持たず一日の1/3や半分以上の時間を費やすようになります。

最近のオンラインコンテンツは充実していてロールプレイング(RPG)はやればやるほどレベルも上がり、新しいキャラやアイテムが手に入り強く興味を刺激されるため、いつまで経ってもやめ時が分からなくなるのでしょう。

重度の場合は、寝る時間を削って朝方までプレイして、朝から昼まで寝て起きたらまたすぐプレイ、と言った典型的な昼夜逆転生活をしている方もいます。

何よりもゲームを優先する

1日のサイクルの中で必ずやらなければならない食事・睡眠・仕事・学校・お風呂などそっちのけで、人生の第一優先がゲームになってしまうパターン。

お風呂に入る時間や寝る時間も惜しくなり不衛生で身体の健康にも悪影響を及ぼします。

重度になってくると学校や仕事も休みがちになり、今の生活水準を維持できないレベルに達しても「とりあえず、プレイする」そんな悪循環が続くでしょう。

引きこもり・不登校

コンテンツにのめり込んでいると一日の中で大半の時間を過ごす「仕事」「学校」の時間を惜しむようになります。人が働いたり勉強している間に、自分だけプレイしていれば誰よりもレベルは上がるしオンライン対戦でも良い結果を得ることができるでしょうからね。

初めは軽い気持ちで休んでいた仕事・学校も「もうちょっとくらいなら良いか」と次第にエスカレートし、いつしか分水嶺を超えて際限なく休み続けるようになります。

重度の場合は仕事で無断欠勤が増えてクビになったり、学校であれば授業数や単位取得が困難になり留年したり退学になるケースも存在します。

借金してまで課金を繰り返す

患者の多くはネット接続型の「オンラインゲーム」が原因。手持ちのお金を全て課金に費やしてしまい、終いには友人・家族から借りたり、消費者金融から借りて課金するというケースが存在するのです。

関西地方に住む男性(34)は、大学時代からオンラインのロールプレーイングゲーム(RPG)にのめり込み、ゲームを有利に進める有料アイテムを入手する「課金」を繰り返した。

手持ちの資金だけでは足りずに同居していた母親のクレジットカードの番号を盗み見て何度も金を引き出し、消費者金融からの借金も約100万円に上った。総額で400万円ほどをつぎ込んだという。
Yahoo!JAPANニュースより引用

重度の場合は、債務整理や自己破産することもあり、まさに「課金」が人生を狂わせている象徴的な記事でした。

ゲーム障害のチェック診断

ボードゲーム②ここでは自宅で簡単にできるセルフチェックの方法として、アメリカのKimberly Young博士によって開発された「インターネット依存度テスト」というスケールがあります。ゲーム障害はネット依存の一種なのでこのスケールから該当するかどうかある程度、判断することができます。

全20問の質問に対して、該当する答えを選択しその合計点をもとに診断されます。

いつもある…【5点】
よくある…【4点】
ときどきある…【3点】
まれにある…【2点】
全くない…【1点】

では、実際に診断してみましょう。

Q1.気がつくと思っていたよりも長い時間インターネットをしていることがありますか。

Q2.インターネットをする時間を増やすため、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがありますか。

Q3.配偶者や友人と過ごすよりも、インターネットを選ぶことがありますか。

Q4.インターネットで新しい仲間を作ることがありますか。

Q5.インターネットをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがありますか。

Q6.インターネットをしている時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか。

Q7.他にやらなければならないことがあっても、まず先に電子メールをチェックすることがありますか。

Q8.インターネットのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか。

Q9.人にインターネットで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがどれくらいありますか。

Q10.日々の生活の心配事から心をそらすためにインターネットで心を静めることがありますか。

Q11.次にインターネットをするときのことを考えている自分に気がつくことがありますか。

Q12.インターネットの無い生活は、退屈でむなしく、つまらないものだろうと恐ろしく思うことがありますか。

Q13.インターネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがありますか。

Q14.睡眠時間をけずって、深夜までインターネットをすることがありますか。

Q15.インターネットをしていないときでもインターネットのことばかり考えていたり、インターネットをしているところを空想したりすることがありますか。

Q16.インターネットをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがありますか。

Q17.インターネットをする時間を減らそうとしても、できないことがありますか。

Q18.インターネットをしていた時間の長さを隠そうとすることがありますか。

Q19.誰かと外出するより、インターネットを選ぶことがありますか。

Q20.インターネットをしていないと憂うつになったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか。
「大石クリニック ネット依存チェック」より引用

▼診断結果▼

【20点~39点の方】
平均的なオンラインユーザーと言えます。

【40点~69点の方】
インターネットによる問題あり。インターネットがあなたの生活に与えている影響について、よく考えてみましょう。

【70~100点の方】
インターネットがあなたの生活に重大な問題をもたらしているので、すぐに治療の必要があります。

いかがでしたでしょうか?現代人はスマホを持つことが当たり前でSNSや便利なアプリなど日常的に触れています。LINEで返事がきたらすぐ返したりチェックする方も多いと思います。現代人は、ある意味すでに予備軍と考えることができるのかもしれませんね。

ゲーム障害の予防と対策

悲しい少年③ここまで原因・症状やチェック方法をご紹介してきました。それでは、私たちは一体どうすれば「ゲーム障害」を回避することができるのでしょうか?

予防方法と自分や身近な人がこの症状を発症したら、どのように対処すればよいのか対策についてご説明します。

まずは何より予防が第一

どの病気にも共通していることですが、まずは病気になる前に予防が第一。発症してしまったらプレイ時間を減らすことから始めて、我慢強くモニターしていくといった気の遠くなるような治療を受けなければなりません。

では、具体的にどんな予防策があるのでしょうか。

💡もっとも効果的な予防策は、原因でも紹介しましたが発症する人の多くは「リアルな現実世界」が満たされていない人に多い傾向があります。そのため外環境に触れる時間を増やし、バーチャル世界よりもリアルな現実世界を満足できるものに変えなければなりません。

学校や職場など今の交友関係・仕事・成績を改善しない限り、心の隙間は常に埋まりません。隙間がある限りゲーム・アルコール・薬物といったものに対する免疫はいっこうに強くならないでしょう。

そして、中学生・高校生のお子さんをお持ちの方は以下のようなルールを導入すると良いでしょう。

①スマホやタブレットは親が貸す
➡子供が常にネット・SNSを利用しないと困るような事態は起こりません。学校の緊急連絡などは親の連絡先に来るわけだし、子供が持つのはあくまでも娯楽です。貸すという感覚であれば、約束を破ったときは返してもらうし、パスワードは親が管理していれば無用の心配は減るでしょう。

②ゲーム時間・場所を決める
➡プレイ時間や親の目が届く場所で遊ばせることが重要です。また、どうして時間・場所を決めてさせているか子供に意味をキチっと理解してもらいましょう。

③お金の使い方
➡今やほとんどのスマホアプリが「課金」システムを採用しているため、課金を制御することは難しいかもしれません。そのため、課金して良い金額範囲を決めて、子供の貯金などの金額も親がしっかり把握しておく必要があります。

④スマホを触らない状況を決める
➡子供は特にスマホが日常生活を妨げるようなことがあってはいけません。学校に行くときや食事・お風呂では使用しないことを約束させたり、敢えて塾・部活・アルバイトなどスマホから離れる時間を作ってあげることも重要。

最近の子は赤ちゃんの頃からスマホが身近にあって1歳~2歳でもスマホ画面を触ったりスライドすることを覚えてしまいます。スマホを与える年齢が早いほど依存の危険があるため、できる限り持たせる時期を遅くすることがベターですよ。

もしゲーム障害になってしまったら?

↑この動画は依存回復支援プログラムを提供する「ワンネスグループ」講演会の一コマ。

自分自身で「あっ、障害になったかも」と自覚できる人はまずいないと思いますが大人であれば、先ほど紹介した依存度を測るチェック表で診断傾向を知ることができます。

しかし、過小評価をしたり問題視しない場合があり、日常生活や社会生活に少しでも支障をきたしている可能性があります。

自分で自身に使用時間・場所などルール決めを行っても、それらを一人で守ることができるなら初めから「ゲーム障害」の心配などしていないはず。

全国に「ゲーム障害」の診断を行うことができる医療機関は約80あると言われていますが、まだまだカウンセラーや心療内科の分母は多くありませんが、しかし完治するまでには長い時間を要するため症状がこじれる前に専門家のもとで治療を行うのが最善です。

私がおすすめするのは欧米を中心に行われている治療効果の高い 「治療共同体(セラピューティック・コミュニティー=TC)」モデルを採用し、人間の行動様式を色んな関係機関と協力して包括的なプログラムを提供してくれる「ワンネスグループ」
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相談・通所・入所による治療が行える施設を全国展開しており、

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精神保健福祉センターや保健所に相談

「医療機関を受診するのはちょっと…」

「あまり他人に知られたくないから大げさにしたくない」

というご家庭もあると思います。しかし、当事者と家族だけで解決できるか?という点には疑問が残ります。必ず第三者の客観的な意見を聞いたり、間に入ってもらうのが一番の改善への近道です。

そんな時は、各自治体にある「精神保健福祉センター」「保健所」に相談してみると良いでしょう。

≫最寄りの精神保健福祉センターはこちらから「全国の精神保健福祉センター一覧」

≫全国の保健所はこちらから「厚生労働省 保健所管轄区域案内」

まとめ

eスポーツ⑤近年は「eスポーツ」が世界中で大流行し、またAR・バーチャル化するなどその技術もリアルそのものに近づきつつあります。

しかし、そのリアルさの追求や利便性が高まるスマホの裏側ではこうした「ゲーム依存」「ネット依存」などの障害や、人間性の欠如が問題視されています。

オンラインゲームの魅力は「課金」制度と無限に繰り返される終わりなきアップデートが作り上げているものですが、これらに支配されず上手に付き合っていくためには「ルール化」「現実世界の充実」と言った本来の秩序ある生活が求められています。


ABOUTこの記事をかいた人

ブログ・投資・ビジネスをメインテーマにした俳句ブログ『Office Exitの俳句』編集者。ブログ運営→投資→ブラック企業から独立。ブログ収益360万、投資収益450万。趣味は俳句。特技は俳句。仕事も俳句。NHK全国俳句大会『入賞』、枕草国際俳句大会『入賞』、子規顕彰全国俳句大会『入賞』、福岡総合俳句大会『優秀賞』。