所得税を安くする4つの方法と資産運用/増税・節税対策シリーズ②

座る男



「来たる、消費税10%!節税して負担を軽くしよう!」を掲げた節税・増税対策シリーズの第2弾!!

サラリーマンの給料を蝕む大敵であり、収入が大きくなるほど5~45%と税率も高くなる「超累進課税」は本当に厄介です。

今回は所得税を安くする4つの方法と資産運用による減税効果にフォーカスします。


所得税とは

計算①所得税は会社に勤めるサラリーマンの場合、収入から給与控除を差し引いた「所得」に対して課税される国税の一種です。


税率計算の方法

累進課税の特性を持っているため「所得」の大きさによって税率が左右されます。

「収入と所得の違い」で詳しく紹介していますが、

税率計算

このような税区分に分けられています。(※課税額は年収ではなく、控除を差し引いた課税対象額のこと)

表を見ると分かりますが、195万~330万は10%ですが331万になると20%になる境界ラインの収入帯に該当する人はわずかでも超えたら不公平では?

そう思われるかもしれませんが、課税額の区分によって異なる課税控除額が設定されているため境界ラインで収入を調整しても課税額に差がないような仕組みになっています。

具体的に例を挙げて税率計算してみます。

💡例:年収400万、控除30万の場合

400万(年収)×20%(税率)+54万=134万(給与控除額)
※54万は「収入と所得の違い~税率表」参照

134万(給与控除額)-30万(控除)=104万(課税金額)

104万(課税金額)×5%(課税額に応じた税率)-0円=52,000円

このような計算方法が適用されます。課税額に対する税率と、収入に対する給与控除額の2つの表を参照すれば簡単に計算することができます。

Office Exitの戦略
会社員と個人事業主は知っておきたい!収入と所得の違い
https://office-exit.com/business-shunyu-shotoku/

支払い方法

紙幣②サラリーマンの場合、年末調整によって必要額を会社が代わりに支払ってくれるため心配する必要がありません。

個人事業主の場合は自分で確定申告を行い、

・銀行口座から自動振替

・インターネットバンキング

・クレジットカード

・税務署の窓口

・コンビニの窓口

上記のいずれかの方法で支払いを行います。

≫詳しくは「国税の納付手続き」をご覧ください。

なお、サラリーマンでも副収入や不労所得が年間20万を超える場合は、会社の年末調整のほかに自ら確定申告して超過分を納税する義務が発生します。

所得税を安くする4つの方法



iDeco(個人型確定拠出年金)で節税しながら資産運用

老人③iDecoは個人型確定拠出年金のことで、名前通り「個人」で加入する年金です。

公的年金では充分な年金を貰うことが難しいため、それを補う目的で誕生しました。

自分で金融機関・商品選びする手間はありますが安心した老後資金を積み立てることができる&所得税を安くする方法として人気を集めています。

この年金のメリットは3点、

①掛け金は所得控除される

②運用益は非課税扱い

③受取時は税制優遇される

まず①の所得控除ですが、掛けた金額分だけ反比例するように「所得」が下がっていきます。

その結果「所得税」そして「住民税」が安くなり節税効果が生まれます。

例えば、年収500万で毎月2.3万円を積み立てすれば年間約8.3万円の税金が安くなることに。

そして②の運用益が非課税ですが、iDecoは積み立てたお金をそのまま預貯金とするか、もしくは投資信託の運用に回すか選ぶことが可能。

後者の運用を選んだ場合に出た利益は非課税として扱われるというものです。

最後の③は、積み立て金を受け取る際には税金が課せられますが、一時金として受け取ることで税制優遇を受けることができます。

このあたりは公的年金の控除との絡みもあるため、受け取り時期が来る前にどのタイミングが節税効果が高いか吟味しておくと良いでしょう。

iDecoの唯一のデメリットは、60歳になるまで一切引き出すことができないという点。

子供が進学するタイミングでも切り崩しが通用しないため、学資資金とは別ものであくまでも老後のために生活に支障がない範囲で積み立てすることをおすすめします。

興味のある方は楽天証券サイトで節税額と60歳になったら受け取れる額を簡単にシミュレーションすることができます。

楽天証券iDecoシミュレーション

出張や転勤が多いサラリーマンは特定支出控除を活用

飛行機④サラリーマンには給料から仕事にかかる経費が控除される「特定支出控除」という仕組みがあります。

おもに仕事にかかっている経費のみが対象となっていますが、出張が月に1回以上あり転勤や資格取得する際にも活用できます。

どんなものが控除対象になっているのでしょうか?

①仕事に関する図書の購入費
➡職務に関する図書や参考書や、雑誌、新聞まで支出控除することができます。

②仕事に関する衣類の購入費
➡スーツや制服のみが対象となります。スーツは外出の多いサラリーマンなら2.3着は持っているでしょうし、まとめて買い換えるなら20万以上かかることもザラなのでもっとも支出控除しやすい項目です。

③仕事に関わる交際費
➡取引先との接待やお歳暮、冠婚葬祭費までが対象。職務に関する社内会議なども屋外で行なっている場合も対象になりますが、個人で支払いするケースは少ないでしょう。会社が交際費として計上している場合は二重になるため支出控除できません。

④単身赴任者の帰省費
➡単身赴任者が実家や家族のいる家に帰省する際の交通費も支出控除できます。ただし、これも帰省費を会社が負担している場合は控除できません。

⑤研修費
➡職務に関連するセミナーや講演会、研修会などの参加費も支出控除が可能。特に医療業界では各学会のほかにもたくさんの団体があり、これらのセミナーにたくさん参加している方は支出控除できる可能性があります。

⑥資格取得費
➡職務に必要となる資格の取得費も対象。自動車運転免許や検定試験、医師などの資格も支出控除できます。

⑦通勤費
➡県外から職場に通っているような人で電車やバス、ガソリン代が対象となり会社規定の交通費を上回っているか支給されていない人がこれに当てはまります。

⑧引っ越し費用
➡転勤が多い人が対象で引っ越しにかかる業者の費用を支出控除できます。しかし、会社から支給されている場合が多く、一律手当として支給されている場合は用途の詳細を職場に確認しておく必要があるでしょう。

ちなみに①~③は上限65万までとなっています。

給与収入ごとの控除額は、
控除額
①~⑧まで65万を超えるごとに40%、30%、20%と掛け率が設定されているので、職務で支払いが多い方は試算してみると良いでしょう。

なお、申請するには規定の証明書を記入・申請する必要があります。以下のURLからダウンロードできます。
≫国税庁「給与所得者の特定支出控除に関する証明書の様式」

マイホームを持っている方は住宅ローン控除を活用

マイホーム⑤すでにマイホームを持っている方は活用されている方も多いと思いますが、一般的にマイホーム購入のために住宅ローンを組みます。

この住宅ローンには「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる制度があり、年末時点の借入残高の一定の割合に相当する金額を所得税から控除することができます。

これは新築に限ったことではなく増改築やリフォームなどで住宅ローンを10年以上組んだ方も対象に。

計算式は以下、

借入金年末残高(上限4000万)×1%最大控除額(最大控除額40万/年)

返済30年、金利1.2%、配偶者1人を扶養に入れた場合のモデルケースを見てみましょう。

💡ケース1.年収400万
借入額2000万の場合、減税額は162万
借入額2500万の場合、減税額は172万
借入額3000万の場合、減税額は172万

💡ケース2.年収500万
借入額2000万の場合、減税額は168万
借入額2500万の場合、減税額は207万
借入額3000万の場合、減税額は223万

💡ケース3.年収600万
借入額2000万の場合、減税額は168万
借入額2500万の場合、減税額は210万
借入額3000万の場合、減税額は251万

だいたいの目安ですが、この金額が10年間のうちに所得・住民税控除で返ってくることになると考えると、けっこうデカいですよね。

また、2019年10月の消費税10%を受けて、これまで10年間だった控除期間が13年間に延長。

これまでの現行8%が適用されている住宅で11年目~13年目を迎える場合は、

借入金残高×1%

もしくは

建物購入金額×2%(消費税引き上げ分)÷3年間

のいずれか小さい方が適用され控除を受けることができます。

≫財務省 平成31年度税制改正「住宅ローンの拡充PDF」参照

収入がない高齢な両親を扶養に入れちゃう

両親⑥これは収入条件があるうえ、心身ともに健康であるとご両親からは嫌がられたりする可能性がありますが、収入が公的年金のみで生計が同一の場合にのみ有効かな、と思います。

ご両親と同居していたら扶養に入れるのは簡単ですが、別居していても扶養に入れる条件はあります。以下参照。

①両親の所得額が38万以下
②一部でも同居生計の根拠がある

※収入が年金のみの場合。
・65歳未満で108万以下
・65歳以上で158万以下

上記①と②のどちらも満たしており、かつ収入が年金のみの場合はどちらかに該当していればご両親を扶養に入れて所得税を安くすることが期待できます。

ちなみに②ではご両親の生活費や療養費に関して、明確に金額の目安はありませんが月に数万円程度の仕送りをしていればOK。

その際、根拠を残す必要があるので銀行の振込明細書や通帳など仕送りした事実が残るようにしておきましょう。

気になる節税効果を例で見てみると、

💡年収400万
税率20%(課税該当に対する法定税率)
実家のご両親に毎月2万振り込み

この条件で両親を扶養に入れた場合には
48万(扶養控除額)×20%=9.6万も節税に繋がることが分かります。

使える方法かどうかはケースバイケースになりますが、条件に該当している方はご両親と相談して検討する余地アリです。

知ってると得する所得税の裏ワザと豆知識

商談⑦

NISAの投資運用は節税効果が高い

所得税を安くする方法では「iDeco」がもっとも節税効果が高いと説明しましたが、20代30代の若い世代から人気を集めている「NISA」でも減税効果を生み出すことができます。
NISAの特徴
運用できる期間は5年間と短いですが、5年間毎月10万積み立てて年利5%で運用できれば、約96万が非課税でまるまる受け取ることができます。

所得課税から直接控除できませんが、通常の資産運用なら96万から約20%(19万2千)は搾取されるため間接的に節税することができるでしょう。

不動産投資の損益通算で帳簿上の赤字を作り出せる

不動産投資と所得税の控除って関係あるの?と思われるかもしれませんが、たくさんある所得の中でも不動産の赤字を給与所得と損益通算できる特性を持っています。

損益通算の例を見てみましょう。

💡ケース1.給与収入400万のみ、控除30万の場合

400万(給与)×20%(税率)+54万=134万(給与控除額)

134万-30万(控除)×5%=52000円

💡ケース2.給与収入400万と不動産赤字50万、控除30万の場合

400万(給与)-50万(不動産赤字)×20%(税率)+54万=124万

124万-30万(控除)×5%=47000円

このように給与収入から不動産赤字を引いた残りが課税対象となるため、所得税を安くすることが可能です。

「えっ?不動産が赤字なら意味ないじゃん!」

と聞こえてきそうですが、節税のために不動産が利用される場合は、実際に不動産を手放さないといけないほど資金繰りが悪い赤字とは違い、あくまで帳簿上で赤字繰越にする手法です。

ちょうど純利益が残りすぎると法人税がたくさん課されるため、適度に使い切って節税する会社などと同じイメージ。

不動産を取得していることが前提なので、不動産投資に興味がある方は活用をおすすめします。

特別復興税が上乗せされている

特別復興税が導入されたのは東日本大震災があった翌年の2013年1月1日から。

被災地復興のための財源を確保する目的で導入され2037年12月31日までの期間におけるサラリーマンに課される対象は、

・給与

・退職手当

・利子及び配当

・公的年金

・報酬、料金

これらに対して一律2.1%課税されています。

日本は累進課税が基本なので、収入が多ければ多いほど特別復興税を収めていることになります。

しかし、サラリーマンなどの個人だけでなく法人税にも課されており、復興税を安くする方法は今のところ存在しません。

まとめ

NO TAX⑧今回は増税・節税対策シリーズとして「所得税」にスポットを当てて安くする方法をご紹介しました。

前記事「固定資産税を安くする方法」で紹介した固定資産税ほど金額は多く削ることが難しいかもしれません。

しかし、サラリーマンに課税される税金の中でもっとも身近で、節税するための手段がたくさんあるという特性を持っています。

2019年10月の消費税10%まであと5ヶ月を切りました。

家計にゆとりが出るようしっかり節税・減税の対策を練っておきましょう!


ABOUTこの記事をかいた人

ブログ・投資・ビジネスをメインテーマにした俳句ブログ『Office Exitの俳句』編集者。ブログ運営→投資→ブラック企業から独立。ブログ収益360万、投資収益450万。趣味は俳句。特技は俳句。仕事も俳句。NHK全国俳句大会『入賞』、枕草国際俳句大会『入賞』、子規顕彰全国俳句大会『入賞』、福岡総合俳句大会『優秀賞』。