社会的責任投資SRIとCSRにはどんな意味がある?/現状とメリットを解説

社会的責任投資SRIとCSRにはどんな意味がある?/現状とメリットを解説

投資の世界では、金融商品やインジケータ、関連団体の名前の略語がとても多く、意味を間違えてしまうことがよくあります。

 

それぞれ独立した意味合いを持っている場合もありますが、今回ご紹介する「SRI-ESG-インパクト」は社会的責任を負う企業と、社会的責任を求める投資家や経済人の関係性が共通しています。

 

現在、ESG市場は約2,200兆円、インパクト市場は2020年には約123兆円まで市場が拡大することが見込まれていますが、その原型となった投資手法が「SRI」

 

今回は、ESGやインパクトとの違いやメリット、市場規模の現状、おすすめのファンドと併せてご紹介します。




SRIとCSRってなに?

SRIとCSRってなに?

SRIとは投資活動

 

-どんな投資活動ですか?

SRI(Socially Responsible Investment)とは「社会的責任投資」のことを指しており、企業が健全な財務状況かつ社会・倫理・環境メリットなどへの責任を果たしているかどうかを投資家が投資基準に加える投資方法のこと。

 

従来の利益を追求するだけの投資ではなく、金融危機・人権問題・環境汚染・天災を経験した歴史を背景に、「社会的責任投資」という考え方が誕生したのは18世紀頃と言われています。

 

その後、1920年頃にアメリカのキリスト教教会が資産運用を行う際、たばこ・アルコール・ギャンブルなどキリストの教えに反する業種を投資対象から外すといったネガティブなものではありましたが、これが現在の企業の社会的責任の原型となっています。

 

CSRとは会社に突き付けられた透明性

 

-社会的責任投資は分かったけど、CSRは何ですか?

CSR(Corporate Social Responsibility)は「企業の社会的責任」のことで、会社は大きく成長すればするほど株主や経営陣の個人的所有物から、次第に社会的な存在へと変化していきます。

 

利益や売り上げを伸ばすことだけでなく、社会のニーズに応え新たな価値の創造を行い、労働者の人権保護や人材開発、環境保護への取り組みなど、その企業が背負っている社会的な立場のことをCSRと呼びます。

 

SRI投資のメリット

SRIは投資家のアイデンティティー2

-どんなメリットがあるんですか?

社会・環境面に配慮した投資法ですが、必ずしも企業の社会的信用が高いからといって、確実に儲かると約束されているわけではありません。

 

社会・倫理・環境問題への取り組みに対して、企業が多額の事業利益をつぎ込んで経営が傾いてしまうと、株価は上昇どころか下落してしまうでしょう。

 

しかし、現時点ではCSR指数・ESG指数を見てみると、上位には日本では誰もが知っているような東証1部にいる大企業ばかり。

 

十分な資金があり財務的に余裕がある大企業が次に向かうのは当然、自社をさらにブランド化するためボランティアや慈善事業、技術革新、そして優秀な人材育成を行います。

 

その結果、優秀なCSR指数を獲得した企業として評価されるようになり、株価は安定、商品の売り上げも伸びるといった構図が想像できます。

 

加えて不正をしないためのシステム作りや、透明性のある経営ガバナンスを導入すれば社会責任を果たし、消費者や投資家からさらなる信頼を勝ち取ることが可能に。

 

まだ、今の日本では強いもの勝ちの現実がありますが、企業に対する新しい付加価値となるSRIがさらに世の中に認知されるようになれば、おのずと収益性・社会性を両立できる企業が生き残っていくようになることが予想できます。

 

》信頼性の高いCSR指数を誇る東洋経済新報社のCSR評価を知りたい方はこちら

 

 

23,760円と参考書にしては高額ですが、CSR指数は一般に向けてネット上などであまり公開されていません。

ファンドや調査会社しか知らないような、詳細な企業評価が掲載されているのでご自分で株式を組み入れてポートフォリオを作りたいと思っている方にはこの本が必須になるでしょう。

 

ESG投資やインパクト投資との違い

ESG投資やインパクト投資との違い

-ESGやインパクトとの違いが分かりません。

前項でも触れたように、おもに反社会的・反宗教的でない企業だけを選定したネガティブ・スクリーンの要素が強く、望ましくない企業と優れた企業だけを対象としていました。

 

もちろん、その範囲から外れた企業は調査すらされず平等な評価は行えないため、閉鎖的で特殊な投資手法と人々からは見られていたでしょう。

 

一方、ESG投資では2006年の国連責任投資原則(UNPRI)が設立され、世間が企業に対して環境(E)、社会的課題(E)、経営ガバナンス(G)を求めるようになった時代の変化もあって、世界中のすべての企業が平等に対象となるESG指数の選定が行われるようになりました。

 

このように、時代の流れとともに社会の在り方や企業に求められることが変化し、従来のSRI投資という呼び名が形をかえてESG投資という呼び名に変わっています。

 

インパクト投資はESG投資よりさらに近未来の投資手法で、ESGよりさらに発展し企業が社会へ与える精密なデータを測定し、より効果の高い社会貢献・利益の追求を目指す手法のこと。

 

》ESGをもっと知りたい方はこちらの記事「話題のESG投資とは、いったい何なのか?気になるおすすめの銘柄ランキング」がおすすめ

》インパクトをもっと知りたい方はこちらの記事「新しい投資の境地!インパクト投資とは/おすすめの投資ファンド」がおすすめ

 

SRI市場規模の現状

SRI市場規模の現状

-市場規模はどのくらいあるんですか?

市場ではアメリカ・欧州・カナダ・オーストラリア・アジアで増加の傾向をたどっていますが、日本の市場規模は2012年の102億ドルから2014年には80億ドルに縮小しています。

 

近年の市場規模統計が集計公開されていないこともありますが、それよりもESGとインパクトが飛躍的な成長を見せている反面、単独ではあまり市場規模を拡大することができていません。

 

しかし、今の社会の多様化したニーズによって投資手法も細分化されているため、縮小しているというイメージはなくむしろ増加しているが、たくさんのファンドに資金が分散されているだけ、といった感じでしょうか。



おすすめの投資信託ファンド

 

企業の社会的責任の分野で高い評価を受けた株式が組み入れられたおすすめの投資信託ファンドをご紹介します。

 

なお、記事中に登場する専門用語は以下を参照

・基準価格-純資産総額をすべての「口数」で割って算出された現時点での投資信託の時価
・純資産総額-そのファンドが持っている全ての株式や債券などの財産を合計した金額
・購入時手数料-投資信託を購入する際に発生する手数料
・信託報酬-投信会社が受け取る利益のこと

》詳しい専門用語はこちらの記事で分かる「これで失敗しない!初心者におすすめする投資信託の選び方」

 

「DCグッドカンパニー」三井住友トラスト・アセットマネジメント

DCグッドカンパニー
国内の株式が中心のポートフォリオで、ベンチマークであるTOPIX(東証株価指数)を上回るアクティブ運用を行っているファンド。

2019年2月時点の基準価格は15,664円、純資産総額は約107.9億円、騰落率は1年以内で見ると-13.67%と落ちていますが、3年スパンでは23.03%、販売開始された2004年から購入していた場合は56.64%上昇していたことになります。

この投資信託に組み入れられている株式はファンケル・日本電産・伊藤忠商事・ 東証株価指数先物1903・三菱UFJフィナンシャルグループ・西日本旅客鉄道・東京海上ホールディングス・リクルートホールディングス・ダイフク・ピジョンなどが設定されています。

購入時手数料は無料、信託報酬は年率1.5336%(税抜1.42%)と手数料やコストがあまりかかりません。

》詳しくはこちら「三井住友トラスト・アセットマネジメント公式」HP

 

「ファミリー・フレンドリー」三菱UFJ

ファミリーフレンドリー
こちらも国内の株式を中心としたポートフォリオで、2013年に運用開始になってまだ5年弱と駆け出しのファンド。

現時点の基準価格は10,019円、純資産総額12.63億円で一時は約45億円まで増えたもののまだまだ安定した結果が出ていない面があります。

組み入れ株式は、トヨタ自動車・三菱UFJフィナンシャルグループ・ソニー・日本電信電話・凸版出版・日立製作所・三菱商事・セブン&アイホールディングス・東京海上ホールディングス・KDDIとなっています。

購入時の手数料は上限3.24%、信託報酬は年率1.62%(税抜 年率1.5%)。

》詳しくはこちら「三菱UFJ ファンド」HP

 

「しんきんSRIファンド」しんきんアセットマネジメント投信

しんきんSRIファンド
国内中心の株式を扱っており、現時点の基準価格は10,055円、純資産総額11.5億円。

組み入れ株式は、日本電信電話・資生堂・日立製作所・三井住友フィナンシャルグループ・花王・島津製作所・テルモ・三菱UFJフィナンシャルグループ・伊藤忠商事を対象としています。

購入時の手数料は2.7%(税抜2.5%)を上限、信託報酬は年率1.5984%(税抜1.48%)。

》詳しくはこちら「しんきんアセットマネジメント投信」HP

 

「フコク SRIファンド」しんきんアセットマネジメント投信

フコクSRIファンド
国内の株式を中心とした追加型投信で、しんきんフコクをマザーファンド(親投資信託)としたベビーファンド(子投資信託)。

現在の基準価格は15,143円、純資産総額は約49億円で2004年に設定されてから順調に成長してると言えます。

組み入れ株式は、日本電信電話・三井住友フィナンシャルグループ・三菱UFJフィナンシャルグループ・伊藤忠商事・日立製作所・ソニー・テルモ・資生堂・日本電産・島津製作所を対象としています。

購入時の手数料は無料、信託報酬は年率1.512%(税抜1.40%)。

》詳しくはこちら「しんきんアセットマネジメント投信」HP

 

「朝日ライフ社会貢献ファンド 」朝日ライフアセットマネジメント

あすのはね
国内の株式を中心とした追加型投信で、信託報酬の一部(年0.1~0.2%)を児童や環境を保護するNPO法人などに寄付を行っています。

現時点の基準価格は9,329円、純資産総額約37億円、株式には東祥・JCU・芝浦電子・プレステージインターナショナル・アネスト岩田・キーエンス・リログループ・ソラスト・アイカ工業・アークランドサービスホールディングスといった製造業が中心の組み入れになっています。

購入時の手数料は3.24%(税抜3.0%)、信託報酬は1.9224%(税抜1.78%)と少し高めの印象。

》詳しくはこちら「朝日ライフアセットマネジメント」HP

SRIは投資家のアイデンティティー

SRI投資のメリット
SRIとは18世紀に誕生した投資の考え方に準じて、時代の流れとともに社会全体の考え方が変化し、そして金融人や投資家が企業に求めるニーズが変化することによって姿カタチをかえてきました。

 

利益を追求するだけでなく、社会的・環境的な側面を持った投資を行うことが今日の世界では正しい選択であるという、共通認識は世界中でますます普及していきます。

 

企業と消費者だけでなく企業と企業が「B to B」で関わる時代だからこそ、より崇高な思想をテクノロジーや正確な調査・レーティングが実現させてくれるのかもしれません。




ABOUTこの記事をかいた人

ブログ・投資・ビジネスをメインテーマにした俳句ブログ『Office Exitの俳句』編集者。ブログ運営→投資→ブラック企業から独立。ブログ収益360万、投資収益450万。趣味は俳句。特技は俳句。仕事も俳句。NHK全国俳句大会『入賞』、枕草国際俳句大会『入賞』、子規顕彰全国俳句大会『入賞』、福岡総合俳句大会『優秀賞』。