晩夏はいつ?季語を使った俳句と小学生の宿題対策/NHK全国大会への道のり④

夏を楽しむ



6月15日頃に東北北部が梅雨入りしたのを受けて全国的に梅雨シーズン真っ只中となりました。

毎年だいたい沖縄では6月23日あたりに梅雨明けし、そこから7月中旬にかけて徐々に梅雨明けするといよいよ”夏”がやってきます。

今年は去年以上の猛暑になるのでは?と噂されているので注意が必要ですが、季節の変わり目を感じるのはとても大事なことです。

今回は子どもの夏休みの宿題でも必ず出される「俳句」の使用例、夏の季語「晩夏」はいつ?またシリーズ4回目となったNHK全国大会への道のりをご紹介します。


晩夏とはどんな意味?いつのことなの?

季節区分きごさい歳時記より引用

季語データベース「きごさい歳時記」で季節区分を見てみると上図のように日本の四季からさらにたくさん分類されています。

晩夏とは陰暦6月の異称で「=夏の終わり。夏の末」の意味を表していますが「夏(三夏)」のところを見てみるとさらに、


・初夏=5月6日~6月5日頃

・仲夏=6月6日~7月6日頃

・晩夏=7月7日~8月7日頃

となっており俳句の世界では、いま現在は仲夏の真っ只中。しかし、気象上の「晩夏」は処暑(しょしょ)を過ぎた8月23日頃から9月1日頃とされています。

つまり、気象上では言葉の定義が違うのもありますが、旧暦が作成された頃の暦と現代では四季の流れが違うわけで、現代は特に暑い夏が長~くて秋の時期がとても短いですよね。

こう言った暦とのズレが生じている訳ですが、句を作るときは厳密にいつまでが旬とかはないので難しく考える必要はありません。

実際に沖縄では6月中旬に梅雨明けするのに東北ではようやく梅雨入りする訳ですから、地域によっても感覚のズレはあるわけで、全国どこでも共通して「まぁ、今の時期だよね!」という感覚でオッケーです。

晩夏の季語はこんなにたくさん!一覧



俳句では必ず季語を入れましょう!というルールがありますが、五・七・五の形式がよく似ている「川柳」との違いはこの季語があるかないかだけの違いです。

その時期の特有の季節を表す言葉には時候・植物・動物・天文・地理などたくさんのジャンルがあり「晩夏」だけでも200以上あると言われています。

全てを掲載できないので皆さんもよく耳にする代表的な一覧を見てみましょう。

ジャンル 季語一覧
時候 秋近し 秋を待つ 炎暑 炎昼 極暑 三伏 七月 小暑 溽暑 盛夏 大暑 梅雨明 土用 夏の果 夏深し 熱帯夜 腐草蛍となる 水無月 みなづき尽 炎ゆ 灼く 夜の秋 冷夏
天文 朝曇 朝凪 朝焼 油照 雲海 炎天 送り梅雨 温風 風死す 片蔭 喜雨 御来迎 白南風 涼風 土用あい 土用東風 土用凪 西日 熱風 日盛 旱 旱星 夕凪 夕焼
地理 青田 赤富士 お花畠 雪渓 田水沸く 土用波 熱砂 日焼田
生活 梅酒 梅干 泳ぎ 海水着 海水浴 夏季講習会 川開き キャンプ 行水 ケルン 昆虫採集 帰省 サングラス サンドレス 暑気払 暑中見舞 納涼 すててこ ダイビング 登山 ナイター 夏芝居 プール 干草 山開き 林間学校 冷房
行事 厳島祭 海の日 海開き 祇園会 桑名祭 住吉踊 住吉祭 津島祭 独立祭 パリ祭 鎮火祭
動物 鶯音を入る 薄翅蜉蝣 内雀 優曇華 空蝉 天牛 草蜉蝣 樟蚕 紙魚 蝉 鷹羽遣ひを習ふ 玉虫 夏茜 練雲雀 羽抜鳥 山叺 天蚕 夕顔別当
植物 青瓜 青柿 青山椒 青唐辛子 青葡萄 青柚 青林檎 赤草 アカンサス 麻 アスパラガスの花 亜麻の花 芋の花 岩鏡 岩桔梗 岩蓼 岩煙草 岩梨 薄雪草 独活の花 梅鉢草 瓜 ウルップ草 蝦夷菊 えぞにう 槐の花 花魁草 黄蜀葵 蒼朮の花 含羞草 おなもみ 唐糸草 カラジューム 烏瓜の花 甘藷の花 胡瓜 銀盃草 草いきれ 草合歓 草藤 昆布 孔雀草 グラジオラス 月下美人 紅黄草 こうじゅ 胡蝶蘭 こばいけい草 駒草 駒繋 胡麻の花 桜麻 ささげ さびたの花 松蘿 紫蘇 新生姜 睡蓮 鈴懸草 千日草 仙人草 ダリア 千鳥草 朝鮮朝顔 月見草 葛藤 トマト 土用芽 茄子 夏豆 韮の花 蒜の花 パイナップル 白山一花 芭蕉の花 蓮 蓮の葉 蓮の若根 はまなす ひぎりの花 向日葵 百日草 仏桑花 帚木 蛍草 松葉牡丹 水葵 水車前 茗荷の子 紫草 メロン 夕顔

ここで挙げたものは一部ですが毎月作っている中で感じていることは季節によって対象となる行事・動物などは数が大きく異なります。

例えば【三夏】全体で見るとアイスコーヒー・かき氷などは6月~8月を通してずっと食べられるものなので夏全体を指す季語ですが、【晩夏】にだけしかしない出来事は暑中見舞・海の日など限定されます。

そのため、ピンポイントで【梅雨】や【残暑】の句を作りたい時以外は、季節全体を指す単語を使った方が作りやすいと言えます。

小学生向け!カンタン俳句の作り方

カンタンに出来る夏休みになると必ず出される「俳句」の宿題。プリントに漢字、絵日記や自由研究などただでさえ量が多いのに普段から作り慣れてない句の宿題は大変ですよね。

ここでは、小学生向けにカンタンな作り方とルールをおさらいしておきます。

手順①俳句のルール

五・七・五の形式にあてはまるよう作るのが基本です。

【例】夏休み(なつやすみ=5文字) 暑苦しくて(あつくるしくて=7文字) 眠れぬ夜(ねむれぬよ=5文字)

句は五・七・五のテンポが大事。あなたの句を聞いた人がその光景が頭に思い浮かぶような「あるある」を作るわけですね。

どうしても入れたい言葉が五・七・五におさまらない場合もありますが、その場合は「五・七・六」でも「五・八・五」でも問題はありません。

手順②季語を考えよう

俳句と川柳はどちらも同じ五・七・五の形式ですが、この2つの違いは「季語」が入っているかどうか。

俳句では必ずその季節にしかない「季語」を入れることが一番大事なルール。

【例】「夏休み=夏限定」「かき氷=夏の風物詩」「海水浴=海開きのあと海に入れるのは夏だけ」

季節を表す単語は漢字だけでなく「パイナップル」「プール」「ダリア」などカタカナも多く使用されています。自分の好きな植物や生活の単語を使うと作りやすくなるでしょう。

≫どんな種類があるか調べたい方はこちら「きごさい歳時記(さいじき)」

手順③身近なものをテーマにしよう

さぁ、がんばって作ろう!と思っていてもなかなかテーマが決まらないもの。

きごさい歳時記を見るとたくさんの単語がのっていて、どれにするか悩んでしまいますよね。最初からむずかしい句は作れないのでまずは身近な”できごと”をテーマにしましょう。

夜あつくて寝れなかったこと、友達と話したこと、お出かけしたこと、食べておいしかったものなど題材はたくさんありますよ。

手順④考えるのを楽しもう

句を作るときはその時の情景を思いうかべながら考えることがポイント。そこから誰に話しても伝わるように大事な単語だけ拾い上げて五・七・五の中に入れこみましょう。

疲れているときや眠たいときにムリにしぼりだして考えようとするとイライラするだけなので、朝や頭がスッキリしているときに作るのがおすすめ。

一番おすすめの方法は①自分のお気に入りのノートを準備。そのノートにまず②”絵日記”みたいに絵をかきます。その絵を見ながら③大事な単語を書き出します。そしたらその単語を組み合わせて五・七・五の形になるように何度も入れ替えてみましょう。

晩夏の有名な俳句

静かな川日本の俳人には松尾芭蕉や小林一茶、夏目漱石に正岡子規など有名な人がたくさん存在します。

その中でも私が好きな句をいくつか紹介しておきます。

暑き日を 海に入れたり 最上川

作者:松尾芭蕉
解説:最上川と言えば芭蕉の句にたびたび登場する日本一川幅が広く、山形県を流れている最上川水系の本川で三大急流の一つ。猛暑で暑い日も飲み込んでしまうほど最上川の流れが激しいことが伺えます。また同時に、この暑い日を最上川に飲み込んで欲しいという心情もうかがい知ることができますね。

 

無き人の 小袖も今や 土用干

作者:松尾芭蕉
解説:土用干とは年に4回ある土用の日のことで年中行事のこと。立夏や立秋の時期に行われ梅・田んぼを干すのは有名ですが、衣類も陰干しすることで虫に食われないようになると言われています。

この句では亡くなってしまった人の着物の袖が変色するほど干されっぱなしになっている光景が目に浮かびます。

 

あやまって 清水にぬらす 扇かな

作者:正岡子規
解説:厳しい暑さに扇であおいでもいっこうに涼しくならない情景を描いています。暑さのあまり扇を濡らして水を浴びたいくらい暑い日が続いていることが分かります。

 

夜を起きて 人の昼寝ぞ すさまじき

作者:正岡子規
解説:暑くて寝苦しい夜が続いている光景が目に浮かびます。夜寝れずに起きている時間が多くなり、日が昇って昼間に疲れ果てて昼寝をしてしまう姿は現代も変わらないですよね。



晩夏の季語を使った俳句例

プールで笑う子供ここでは実際に私が作った晩夏の季語を用いた俳句例をいくつかご紹介します。

※全てオリジナル作品なので、当サイト「Office Exitの戦略」に許可なく無断使用・転載することを禁じます。

やかな 声で涼しむ 子のプール

解説:夏休みが近づいてくると小学生の大好きなプールが始まります。沖縄や九州では5月下旬から学校の授業で水泳が始まり市営や町営プールも開放されるようになります。

小学校の年中くらいまでは母親が付き添っていく事が多いと思いますが大人はほとんどプール端から子供がはしゃぐ姿を羨ましそうに眺めていることが多いでしょう。

入るのは面倒臭いけど子供のはしゃぐ黄色い声だけで気分は涼しくなることがある情景を描いています。子どもを持つ親なら誰でも体験した「あるある」ですね。

休み メニューを決める 母の宿題

解説:夏休みが始まると子供は1ヵ月以上のうち朝・昼・夜の食事を自宅で食べるようになります。いつもは昼のメニューまで考えなくていい母親にとってまさに「課された宿題」のようなもので、バリエーションを増やしたりちょっと工夫する大変さを現した句。

私も子どもの夏休みシーズンはどこに連れて行こうか、何をして過ごそうかと悩むことがありますが、子供は食事で好き嫌いが多いので毎日のメニューはなかなか苦労することを体験しました。

内で 優雅に楽しむ 夏の空

解説:真夏日の空は雲一つないキレイな澄んだ青色になりますが、一歩外に出ると灼熱のような暑さ。40℃や50℃を超える日もあるので、特に用事がなければ自宅や車内など涼しいところで夏の空を眺めるだけで充分に、夏を味わえる様を表現しています。

ちなみに2019年の気温予測では「平年並み」になる可能性が高いと言われていますが、降水量が「平年並みか多い」予報となっているようです。雨は煩わしいですが適度に降って気温を下げてくれるのなら大歓迎ですね。

の殻 するりと抜ける 秋の初風

解説:蝉はひと夏で成虫になり死んでしまいますが蝉の殻は晩夏から立秋になっても木にくっついていたり、地面に転がっていることが多いですよね。

本体の蝉は死んでしまったのに殻だけは名残り惜しそうに残っているところに次の季節の初風がするりと抜けていく様子は自然の厳しさと同時に風情を感じてしまいます。

曇 内に秘めたるは 40℃超

解説:日中が猛暑になる日の朝は靄がかかって曇ることが多いと言われています。これは、陸風と海風が入れ代る早朝に前日の強い日差しで蒸発した水蒸気が冷えるためにこの現象が起こりますが、全く暑さを感じさせないこの天候は不思議なもの。

でもその穏やかな曇空がうちに秘めているのは「猛暑」の前兆であり、嵐の前の静けさのような様子を描いています。



NHK全国大会への道のり④

筆ペン今年行われた全日本情報学習振興協会が主催する「令和川柳コンテスト大会」に5句ほど応募して、令和元年5月28日(火)の発表を心待ちにしていましたが残念ながら入賞候補には選ばれませんでした。

💡あくまでも目標は来年1月3週目に東京・渋谷のNHKホールで開催される「NHK全国俳句大会」で入賞すること。

今年3月から俳句をテーマにした記事を連載開始。

毎シーズンごとに自分の句を紹介してきましたが、まだまだ駆け出しであることに変わりはありません。でも、定期的に作っているせいか当初は1句考えるのに10分以上かかっていましたが、今回は1句が5分以内で書けるようになりました。

これも継続している成果かな、と感じつつも目標までの道のりは決して簡単ではないと実感しています。

時代はさらなるハイテク化・ITテクノロジーの進歩・ロボットAIの台頭と変化していますが、こうした日本伝統や風流が失われることはないと思いますし、むしろこうした人の心を掴む人間にしかできない表現・アートというのはますます価値が高まっていくと思います。

句を楽しむ方法はいろいろありますが、こうした大会やコンテストが目標にあると緊張感が出てくるのでまたより一層、自分に追い込みをかけて良い句がかけるよう絞り出していこうと思っています。


ABOUTこの記事をかいた人

ブログ・投資・ビジネスをメインテーマにした俳句ブログ『Office Exitの俳句』編集者。ブログ運営→投資→ブラック企業から独立。ブログ収益360万、投資収益450万。趣味は俳句。特技は俳句。仕事も俳句。NHK全国俳句大会『入賞』、枕草国際俳句大会『入賞』、子規顕彰全国俳句大会『入賞』、福岡総合俳句大会『優秀賞』。