いつからレジ袋が有料になる?環境省の廃プラ問題の2%削減に効果があるのか?

海のプラスチックごみ



2019年6月15日~16日にかけて長野県軽井沢町でG20エネルギー・環境相会合の「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」が開催されています。

その中で世耕弘成経済産業相がコンビニやスーパーなどの小売店で無料で配られている袋を来年4月1日から「有料化」すると発言しました。

世界でも問題視されている「廃プラスチック問題」。しかし、国内のレジ袋は年間20万トンで袋が占める割合は全体の僅か2%です。

この行動に一体何の意味があるのか?これまでの環境省の一連の動きや、反対する声などをご紹介します。


コンビニやスーパーのごみ袋はいつから有料に?

国旗前に「令和初のG20大阪サミット2019」でも紹介しましたが、2019年は令和になって初となる日本でのG20国際サミットが行われました。

それに伴って議長国の日本が任期を終える2019年11月末まで日本各地で閣僚会合が開催されることになっており、6月15日~16日の2日間は長野県軽井沢町で「エネルギー・環境相会合」が開催。

その国際的な場で出席した日本の世耕弘成経済産業相は、

「20年東京五輪・パラリンピックに間に合う20年4月に(レジ袋有料化を)できるようにしたい」

と発言。東京オリンピックまであと約1年となりさまざまな分野での政策追加・条例変更・空路・開発・交通網の施策が行われており、その一環として2018年から環境省が義務化すると言ってきた「ごみ袋の有料化」も駆け足で進んでいくことになりそうです。

有料化に取り組む環境省の動き

プラスチックスマートロゴ2018年から環境省が廃プラ問題解決に向けて策定を進めている「プラスチック資源循環戦略(案)」では、

ワンウェイのプラスチック製容器包装・製品については、不必要に使用・廃棄されることのないよう、消費者に対する声かけの励行等はもとより、レジ袋の有料化義務化(無料配布禁止等)をはじめ、無償頒布を止め「価値づけ」をすること等を通じて、消費者のライフスタイル変革を促します。

と記載されています。しかし、既に全国のスーパーではレジにいけば「マイバッグをお持ちですか?」と聞かれて、マイバッグありますカードを出すとお会計から数円割引される制度が採用されています。

従来の不要な袋はもらわない事に対する評価(金銭的)をされている訳ですが、ここにきて袋を貰ったら「マイナス」になってしまうというやり方に消費者も戸惑ってしまうことでしょう。

しかし、今年2月26日の会見で原田義昭環境大臣も全国一律で有料化を義務付ける方針を明らかにしており、G20という世界中の人々が注目している場で具体的な日付(2020年4月1日)を指定するということは概ね決定事項として来年からスタートすると考えて間違いなさそうです。

現在、世界中で小売り店が不要な袋を渡すことが禁止されており、フランスでは「レジ袋禁止法」という法案が存在します。日本でも一部有料化している店舗もあり「1枚=5円」が標準的。来年から有料になった場合は「1枚=3円~5円」という値段が会計に上乗せされて販売されることが予想されます。

世界的な廃プラスチック問題

ゴミとネズミこれまでも廃棄したプラスチックが環境に与える影響については議論されてきましたが、世界的な飲食店「スターバックス」や「マクドナルド」が使い捨てのプラスチックストローを廃止したことでさらに世間の関心が高まりました。

日本でも味の素グループ、すかいらーくグループでもプラスチック製品の使用を自粛したり削減しようと熱心に取り組んでいます。

では、具体的に廃棄したプラスチックは環境にどんなダメージを与えているのでしょうか?主な原因としては以下。

①焼却処理によるCO2排出

②プラスチックごみが海洋を漂い海の生態系を破壊する

①は20年以上前から世界共通で問題視されている大気汚染の原因。私が小学生の頃は、学校にあった焼却炉にあらゆるごみを据えて焼却処分していたものですが、CO2によるオゾン層の破壊や大気汚染の科学的根拠が明らかになると一斉に学校でも焼却炉が使われなくなりました。

②は本記事にも関連していることですが人間が自然に廃棄したプラスチックごみは、土に還らないためその場にとどまりやがて雨風にさらされることによって排水や川に流れつきます。そして最終的に海に流れ出して、そのプラスチックを魚や海の生き物が口にすると死んでしまいます。

日本では年間約20万トンものプラスチックごみが廃棄されると言われていますが、自治体レベルでプラスチックごみ削減に取り組んでいる事例があります。

自治体 名称 時期 概要
神奈川県鎌倉市 かまくらプラごみゼロ宣言 2018年10月 プラスチックごみゼロ宣言をしている県と連携。プラスチック製ストローの利用廃止を推進する
神奈川県 かながわプラごみゼロ宣言 2018年9月 市町村・企業・県民にプラスチック製ストロー等の利用廃止・回収を呼びかける。2030年までにプラスチックごみゼロを目指す
京都府亀岡市 かめおかプラスチックごみゼロ宣言 2018年12月 国内初のプラスチック製レジ袋使用禁止の条例化(2020年度)。2030年度までのプラスチックごみの100%リサイクルの実現を目指す

これ以外にも47都道府県でさまざまな削減対策が行われておりそのほとんどが既に実施されているものばかり。

そのほか、代替可能性が見込まれるワンウェイの容器包装・製品の技術開発が進んだり、廃プラスチック問題に関して求められるCSRや投資市場にも変化が見られるようになっています。

2%のレジ袋削減に効果があるの?



さて、ここが肝心ですが世界中でプラスチックごみの廃棄が叫ばれているのは分かりましたが、果たして全体の約2%の削減を世界に向けてアピールすることにどんな意味があるのでしょうか。

2018年10月末にインドネシアで開催された海洋環境保全に関する国際会議「New Plastics Economy Global Commitment」では世界の290社や団体が共同宣言に参加していますが日本企業の名前は一つもなく、先進国でありながら取り組みが大きく遅れていることを意味していますよね。

袋の削減の背景には間違いなく「2020年東京オリンピック・パラリンピック」の開催があります。ここに向けて世界基準にするため急ピッチで改変を進めていく訳です。

しかし、実際には各自治体や小売店間で足並みがそろっていないのは事実で、政府による規制強化が必要という声もありますが強制的な執行は小売店にかかる負担はとても大きなもので売上悪化→倒産という事態にも発展しかねません。

その問題があるからこそこれまでの環境大臣も一筋縄ではいかない難しい問題だった訳で、いくら東京オリパラのために表面上は「我が国では有料化してます」と言ったところで実体の伴わない施策になる可能性があり問題視されているのです。

有料化のデメリット・反対する声

有料化にともなるデメリットには以下が考えられます。

①廃止してもレジ袋サイズは使用用途がある

②気軽に買い物に行けなくなるので消費が落ち込む

①はスーパーに行ったときにもらった袋を持って帰宅し、食材を全て冷蔵庫などに収納したらその袋をどうしていますか?

我が家では家庭ごみをまとめる時に活用したり、子供が小さい頃気分が悪くなったときにすぐ取り出せるよう非常用の袋として活用していました。同じように家庭用としての使用用途がある家庭が多いと思います。

つまり需要があるという事は無料でもらえなくなるのなら、スーパーで同サイズの袋をまとめて購入するようになるのでは?

そうなったら削減した分は帳消しになり、むしろニーズや消費が増えてしまうため全くこの施策の意味がないことになりますよね。

②は袋を買うお金がもったいないという理由でマイバッグを忘れたときは買い物しにスーパーに行かなくなります。スーパー側からすればお客さんが訪れる機会損失に繋がり、消費者も消費を抑えるようになるでしょう。

日本全体で見た消費低下はわずかでも小さな小売店では毎月の売上が減ってしまうことは死活問題なので、倒産する店舗があったり条例違反して袋を無料で渡す店舗などが出てくる可能性があります。

この一連の取り組みに納得がいっていないのは何も消費者・小売店だけでなく各都道府県も同様。

秋田県は「説得力のある呼びかけを行うため、レジ袋の削減による二酸化炭素排出量の削減効果を明確に示したデータ資料を提示・公表していただきたい」と調査委員会で発言。

また、北海道は「レジ袋の削減のみを普及啓発するのではなく、購買全般における簡易包装の推進や容器の再利用等も取り入れた普及啓発も検討した方がよいと思われる」と思わずうなずいてしまうようなご意見。

まとめ

ここまで環境省の一連の動きや、果たして全体の約2%の袋削減にどんな効果があるのか見てきました。

「削減するから良いことでは?」というのは間違いではないのですが、先進国である日本が世界に遅れを取っている現状のなか更なる代替用品の技術開発に力を入れるべきところをただやみくもに「袋の削減」にだけ注力しているようにしか見えないのです。

背景には東京オリンピック・パラリンピックがあるのでそれまでには世界標準にしよう、という焦りの心理が働いていますが実体の伴わない施策はかえって混乱や問題を複雑にします。

2020年に施行されなくても遠い未来、この削減は必ず実行されるものだと思っています。しかし、それにはまず削減効果を明確にした信頼性ある統計データを作って、各都道府県の指針を作成するのが先。

消費者に身近なレジ袋を有料化することで使い捨てプラスチックに対する意識の変化を促すことが目的かもしれませんが、使うことが「マイナス」の印象を与えてしまうのか、というの疑問ですよね。

それよりもマクドナルドなどの大企業がそのような取り組みを行うCSR活動に注力した方がよっぽど効果的で経済循環も良くなるような気がしています。


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ブログ・投資・ビジネスをメインテーマにした俳句ブログ『Office Exitの俳句』編集者。ブログ運営→投資→ブラック企業から独立。ブログ収益360万、投資収益450万。趣味は俳句。特技は俳句。仕事も俳句。NHK全国俳句大会『入賞』、枕草国際俳句大会『入賞』、子規顕彰全国俳句大会『入賞』、福岡総合俳句大会『優秀賞』。