テレビ・スマホの視聴時間と小・中・高校生のテスト成績学力低下との相関関係

古いテレビ

ふだん何気なく見ているテレビやスマホが子供のテスト成績や学力低下に繋がっているという話しを聞いたことがあるでしょうか。

本当かな?と思っている親御さんと視聴する時間を減らす親御さんと分かれると思いますが事実、長時間見ている子は進学校に進む割合が低いという結果が出ています。

今回は視聴時間と学力の相関関係についてご紹介します。


テレビ・スマホ視聴時間が長いと小学生の成績が悪くなる?

テスト①

視聴時間の長さと成績・偏差値

ベネッセ教育相互研究所が1万人以上の小・中・高校生を対象に行なった生活時間に関するアンケート「子ども生活実態基本調査報告書」によると、

視聴時間

▼テレビ・ビデオ(DVD)の視聴時間▼
(3時間以上見る)
小学生…23.9%
中学生…28.8%
高校生…16.7%

学校段階別で見ると中学生が28.8%ともっとも多い傾向にあり、「1時間~3時間以内」も約60%を占めていることが分かります。

小学生は中学生より全体的に割合少なくなり、「ほとんどしない~45分以内」が16.3%と最多。一方で高校生になると「3時間以上」は16.7%と減少しますが、「1時間~3時間以内」は約63%。

しかし、高校生になるとスマホを持っていることが多いため、単にそちらに流れているだけだと思われます。

ゲームで遊ぶ時間

そして同調査では「ゲームで遊ぶ時間」についてもアンケートを行なっています。

テレビゲーム時間調査

とりわけ男子のゲーム率は「2時間以上」で見ると小学生で31.9%、中学生で34.4%、高校生で17.9%と女子と比べて高く、また学校段階の進みにつれて減少。

また、男子は小・中学生期のゲーム率が高く、女子は小学生期に限ってゲーム率が上がるという結果が見てとれます。

他にはゲーム時間と学習時間の関連や、母親が仕事をしているからゲーム率が高いなどの関連性はないと報告されています。

また、気になる成績や偏差値との関連は以下。

▼成績・偏差値との関連性▼
(中学生で3時間以上見る)
成績上位22.3%
成績中位27.0%
成績下位38.0%

(高校生で3時間以上見る)
進学校7.5%
中堅校19.4%
進路多様校30.6%

(小学生は相関関係なし)

中学生ではそこまで大差ありませんが、気になるのはやはり高校生における進学校率の低さ。

生活と密着している存在だからこそ見る時間が多いぶん学習がおろそかになっている現状があるようです。

塾や習い事をたくさん掛け持ちしている子は夜に帰宅して寝るまでの間に食事・お風呂・歯磨き・宿題をしてる訳ですから、テレビ見る時間がないことは容易に想像つきますね。

学力との相関関係

テレビ②

テレビを見るから成績が悪いのか、はたまた成績が悪い子がテレビを見るのか

ここで一つの疑問が湧いてきます。

「テレビを見る時間が長い結果として成績が下がり進学校に行く確率が下がるのか、元々成績の低い子が単に見る時間が長いだけなのか。」

それに色んなチャンネルがあります。

・アニメ

・NHKのEテレ

・ドキュメンタリー

・お笑い

・ドラマ

どのチャンネルを見たら成績が下がるとかまで調査されていないため、今のところ謎は謎のまま。

しかし、「NHK for school」や「世界英語ミッション」のようなNHK教育番組は、確実に学力や道徳心を補うためのチャンネルです。

これらも時間に含まれているとすれば時間単位で割り切ることはできないでしょう。私自身、2人の子どもがいますが、どちらも習い事を複数かけ持ちさせていました。

日曜以外の平日は学校に習い事と慌ただしく帰宅するのは18時過ぎ。そこからゆっくりする間もなく学校の宿題をして夕食を済ませ、お風呂に入ったら今度は塾の宿題や明日の時間割りを準備。

すると自動的にテレビを見る時間は18時~19時に限られ夕食時を入れてもせいぜい19時半までしか見れません。平日の視聴時間は1時間~2時間以内で成績は中の上くらい。

小・中学生の親世代の感覚を代表して言うと教育熱心な家庭であれば、習い事かけ持ちは当たり前のことで、反比例して視聴時間は少なくなっていきます。

これは、推測の域ですが学習時間が長ければ日曜祝日はダラダラ1日中、見ていても成績に何ら影響ないと思います。

それよりも、「テレビ×学力低下」の問題に限って言えば親世代の子どもに対する教育方針や熱心さ、裕福さの方が深く関連していると言えます。

「テレビを見るから学力低下」ではない事実



1940年代~50年代にアメリカのスタンフォード大学のマシュー・ゲンコウがある実験を行いました。

その頃、アメリカではテレビが普及され始めもしたが、とある放送局の免許停止を受けて一定の地域だけ視聴できない期間が約4年間ありました。

実験内容は至って簡単でその地域の子ども達(対照群)と普通に視聴していた地域の子ども達(介入群)を比較する、というもの。

▼調査概要▼
両群が小学校に入学した直後のテスト成績を比較する。

・4年間見れなかった地域=対照群
・ずっと見れた地域=介入群
『「原因と結果」の経済学』より引用

▼結果▼
幼少期にテレビを見ていた子ども達(介入群)の方が偏差値が0.02高い。

宿題に費やす時間、進学希望にも影響なし。

わずか0.02とは言え全く長時間の視聴と成績は関連性が低いことを意味しているもので、母親が学歴が低かったり母国ではない家庭では、むしろ成績向上に繋がっているという結果でした。

実際には経済レベルが関係しており裕福な家庭では視聴によるメリットは少ないですが、貧困家庭ではこうした調査結果が出ています。

また、ゲンコウは政府や教育関係者が根拠もなくテレビがもたらすマイナス効果ばかりを宣伝することがないよう注意を促しています。

短時間なら有効

2013年に文部科学省が行った全国学力・学習状況調査でアンケート結果と成績との相関関係を公表しました。

調査では全国の小学6年生と中学3年生に実施したテストの国語、算数・数学のA(知識)、B(活用)問題の平均正答率と児童生徒へのアンケート結果を分析しています。

平日にテレビやビデオ・DVDを見る時間が「1時間より少ない」と答えた子供の平均正答率は小学校国語Bで53.0%。長時間になるほど低下し、「4時間以上」は44.4%だった。

一方で「全く見ない」は48.9%。「3時間以上、4時間未満」の子供と変わらなかった。小中学校の全教科でほぼ同じ傾向がみられたほか、インターネットの利用時間と成績の関係でも同様の相関があることが分かった。
日本経済新聞より引用

そしてこれらの結果を踏まえて文部科学省は、

「視聴時間を決めるなど、節度を守って見れば知識の習得に役立つのではないか」

とこう結論付けており、スタンフォード大学のマシュー・ゲンコウの話しでも紹介しましたが、過度なデメリットばかり誇張する考えではないことを明らかにしています。

まとめ

テレビ③一般的にテレビの長時間視聴は子どもの学力低下を招く原因と言われていますが、スタンフォード大学の調査でも文部科学省が行った調査にも共通しているのは、

・長時間の視聴は相対的に学習時間の減少を意味している

・3時間未満の適度な視聴は内容や家庭環境によってはプラスに働く

ということ。つまり「テレビ=成績が悪くなる」ではなく、3時間以上見ており節度がない生活実態であれば「生活に節度がない=成績が悪くなる」という図式が自然であり、デメリットばかりを誇張する情報に流されず親御さんは正しい見聞を身につけたいものですね。


ABOUTこの記事をかいた人

ブログ・投資・ビジネスをメインテーマにした俳句ブログ『Office Exitの俳句』編集者。ブログ運営→投資→ブラック企業から独立。ブログ収益360万、投資収益450万。趣味は俳句。特技は俳句。仕事も俳句。NHK全国俳句大会『入賞』、枕草国際俳句大会『入賞』、子規顕彰全国俳句大会『入賞』、福岡総合俳句大会『優秀賞』。